DEAR 開発教育協会

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プラスチックごみ−開発教育アクティビティ集4

概要

  • 発行:開発教育協会
  • 執筆: 奥村勇斗(アジア太平洋資料センター)、加藤英嗣(小学校教員)、関愛(大学職員)、中園真由美(高校教員)、伊藤容子・八木亜紀子(開発教育協会)
  • 2020年11月、A4判52頁
  • 一般価格:¥1,500+税(図書館価格¥3,000+税)
  • 会員価格:¥1,200+税
  • 対象:小学校高学年以上

未来世代に「プラスチック汚染」という負の遺産を押し付けないために

主に石油からつくられるプラスチックは、その製造・加工・廃棄・リサイクルの過程で、気候変動の原因となる温室効果ガスを排出します。プラスチックは、便利で豊かなわたしたちの暮らしを支え、20世紀の「消費文化」を象徴する存在でした。しかし、海洋など自然環境への流出と長期にわたる有害性、リサイクルの難しさ、気候変動への影響などが明らかになる今、「プラスチック汚染」という言葉が使われるようになりました。プラスチック製品の中でも、とりわけ、使い捨てプラスチック(Single-Use Plastic)の利用を削減していくことが、世界的な潮流となっています。

翻って日本では、長年「廃プラスチックの8割はリサイクルされている」という「幻想」がありました。実際には6割もが「熱回収(サーマル・リカバリー)」や単純焼却という形で燃やされ、「リサイクル」の割合は3割にも至りません。分別回収やリサイクルよりも有効に環境負荷を削減する方法は、プラスチック製品の製造や利用を抑制することです。しかし、企業や市民の自主的な取り組みに任されてきた部分も多く、日本の1人あたり使い捨てプラスチックごみの量は世界第2位となっています。未来世代に「プラスチック汚染」という負の遺産を押し付けないために、世界ではプラスチック削減に向けた大胆な法律や規制が施行されています。日本にも、思い切った制度の変革と、それを後押しする市民の行動が求められます。

本教材の作成チームでは、当初から「個人の心がけや取り組みに収れんさせず、仕組みを変えるアクションを提示しよう」と話し合ってきました。また、同時に「脱プラは、我慢や後戻りではなく、持続可能な未来をつくる前向きなチャレンジだということを伝えよう」と話し合ってきました。本教材をご利用になる皆様も、ぜひ、そのような思いで実践をしていただければ嬉しく思います。

初めての方も取り組みやすい6つのアクティビティをご紹介

本教材は、開発教育アクティビティ集1『世界とのつながり』(DEAR、2017年)、2『難民』(DEAR、2019年)、3『気候変動』(DEAR、2020年)に続くシリーズ4として、シンプルで基本的なアクティビティを紹介しています。
・準備が簡単で、45分でできる。
・その後に様々なテーマにつなげて展開したり、応用したりしやすい。
そんな、6つのアクティビティを掲載しました。そして、アクティビティと同じく重要な「ふりかえり」の方法もご紹介しています。開発教育や参加型学習の初心者の方に気軽に実践してほしいという思いから、進行のポイントや発問の仕方も詳しく記載しています。

資料提供・協力

  • 天野路子・中畝幸雄(一般財団法人地球・人間環境フォーラム)
  • 貞広康子(北星学園女子中学高等学校)
  • 滝本雅章(DEAR ボランティア)
  • 藤光由子(日本語教育アドバイザー)
  • 株式会社ダイナックス都市環境研究所
  • にいがた NGO ネットワーク国際教育研究会 RING
  • 「多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」参加者の皆さ
  • ヨーロッパ各国で日本語教育に携わっている皆さま

クラウドファンディング

本教材の作成・普及のための取り組みに、200名の方よりご寄付をいただきました。たくさんの応援、そして、ご協力をありがとうございます!

ねらい

本教材は、「プラスチックごみ」をテーマに一人ひとりが問題に向き合い、公正で持続可能な社会のあり方を考えることをねらいとして作成されました。具体的なねらいは以下のとおりです。

  1. プラスチックごみをめぐる現状や影響、問題について理解し、関心を持つこと。
  2. プラスチックごみによって影響を受けている人々や環境について知り、その立場を想像 して自分事として捉えること。
  3. プラスチックごみをめぐる問題を構造的に理解し、わたしたちの生活とのつながりや自分に何ができるかを考えること。
  4. プラスチック削減に取り組むことは、持続可能な未来をつくるポジティブな行動だと捉えること。
プラッチー&ポリーと一緒に学びの旅へ出発!

もくじ

  • ねらい
  • この教材の使い方
  • 開発教育と参加型学習
  • 参加のルール 
  • ふりかえり
  • アクティビティ1 プラごみクイズ
  • アクティビティ2 プラスチックを探してみよう!
  • アクティビティ3 リサイクルってなんだろう
  • アクティビティ4 ロールプレイで考えるプラスチックごみ(2種類)
  • アクティビティ5 Take Action! わたしたちにできることを考えよう(2種類)
  • アクティビティ6 タイムラインで考える「こうなってほしい未来」
  • Action事例紹介
  • 参考資料

アクティビティ1 プラごみクイズ

プラスチックごみ(プラごみ)に関する基礎的な知識を学ぶことを目的としたクイズです。クイズシートを使って実施するほか、挙手や参加型アクティビティ「部屋の四隅」などの方法で動きを加えながら実施することもできます。

コピーして使えるワークシート、詳しい解説を収録しています

アクティビティ2 プラスチックを探してみよう︕

今、自分がいる教室の中から、あるいは家の中から「プラスチックでできたモノ」をたくさん見つけ出すだけの、とてもシンプルなアクティビティです。ワークシートには 20 の欄がありますが、それでは足りないくらいたくさんのプラスチックを見つけることができるはず。あらゆるものがプラスチックでできていることを実感することができるでしょう。

アクティビティ3 リサイクルってなんだろう

「プラスチックはリサイクルされているから、分別回収すればいい」という意見がありますが、そこで言う「リサイクル」とはどんなことを意味しているのでしょうか。クイズを通して日本と世界のプラスチック・リサイクルの現状を知り、再び「リサイクル」について考えるアクティビティです。

アクティビティ4 ロールプレイで考えるプラスチックごみ(2種類)

プラスチックごみの影響を受けたり、関わったりしているさまざまな人や生き物の立場になって、現状を話し合い、考えるアクティビティです。 ロールプレイでは、自分と違う人の立場に立って、その人の気持ちや状況を想像し、表現します。意見の異なるほかの役割(ロール)の人たちとの合意形成が必要な場面もあります。共感やジレンマ、葛藤を体験することで、他者を理解したり、テーマへの理解を深めたりすることができます。

子ども向けのバージョン(海が大変!海の生き物会議)高校生以上を対象にしたバーション(どうする?プラごみ!関係者会議)の2本を収録していますので、対象者に合わせてご利用ください。与えられた役割に入り込むことができるよう、被り物や衣装、小物を用意して実施するのもおすすめです。

子ども向けのバージョン(海が大変!海の生き物会議)
高校生以上を対象にしたバーション(どうする?プラごみ!関係者会議)

アクティビティ5  Take Action! わたしたちにできることを考えよう(2種類)

使い捨てプラスチックごみ問題をめぐる全体像や、問題に関わる構造を、イラストを通じて考えるアクティビティです。一人ひとりにできることだけでなく、構造や仕組みにも働きかける必要性を考えます。

  • Action1 イラストで考える「自分ができること・みんなでできること」
  • Action2 企業などに質問してみよう

アクティビティ6 タイムラインで考える「こうなってほしい未来」

現在から過去、現在から未来のタイムラインから、プラスチックごみ問題について考えます。現在のプラスチック問題がどのような過去の影響を受けているのか、また、このままだと未来はどうなるかを踏まえ、「こうなってほしい未来」を考えます。現在のプラスチックごみ問題への対策次第で、私たちの未来が変わること、そして、今どんな行動をする必要があるかを考えるアクティビティです。

10のコラム

  1. プラスチックが拡散させる有害化学物質 - 目に見えない「添加剤」の危険
  2. プラスチックよ、どこへ行く?- 分解されるの?されないの?
  3. プラスチックは使っていいの?いけないの?
  4. 笹寿司 サステナブルなファストフード!?あるものを活かす昔からの知恵
  5. 環しないリサイクル?―水平利用とカスケード利用
  6. 輸出されたごみはどこへ?ベトナム・ミンカイ村から
  7. プラスチックごみと野生生物
  8. おしゃれとプラスチックのはなし
  9. ケニアの世界で最も厳しいプラスチックバッグ禁止令
  10. 世界のプラスチックごみ対策~SDGsと海洋プラスチック憲章

スライド資料・生き物イラスト

ダウンロードには教材(3頁)に掲載のパスワードが必要です。

スライド
適宜編集してご利用ください(Microsoft Power Pointフォーマット)。

スライド資料

生き物イラスト(アクティビティ4のロールプレイ1に対応)

PDFダウンロード
PDFで9人分のイラストがあります。厚紙などに出力し、頭にかぶる場合は点線で切り取り帯をつけてご利用ください。首からかける場合はそのままどうぞ!

リソース

DVD『プラスチックごみ』

焼却や輸出に依存してきた、循環とかけ離れた日本のリサイクル。リサイクル幻想を超えて、使い捨てプラスチック削減の道筋を探る。
監修:井田徹治(共同通信社 編集委員) /取材:OurPlanet-TV/企画・製作: 特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC) /2019年/片面1層/カラー/日本語/本編28分 本体価格:4,500円+税(図書館価格:本体15,000円+税)

映画『プラスチックの海』

多くの科学者や識者が警鐘を鳴らす、海洋プラスチック問題。年間800万トンものプラスチックが海に捨てられているという。その大半は海底に沈み、海面や海中を漂うプラスチックも永久に分解されず、マイクロプラスチックとなって食物連鎖の一部になっていく。プラスチックゴミによる海洋汚染の実態とは?そしてプラスチックが海に、プランクトンに、クジラに、海鳥に、人体に及ぼす影響とは?
監督:クレイグ・リーソン/原題:A PLASTIC OCEAN/配給:ユナイテッドピープル/100分/2016年/イギリス・香港

実践レポート

「多文化共生のための国際理解教育・開発教育セミナー」でお試しワークショップを開催しました(2020年8月)
https://syncable.biz/campaign/1140/reports#menu

「プラごみ」お試しワークショップ with 欧州で日本語教育に携わる皆さん(2020年8月)
http://dearstaff.blogspot.com/2020/09/with.html

ご注文方法

DEARの本は直販のみです。書店などには置いておりませんので(取次を通していません)、 DEARまでウェブ、ファクス、お電話にて直接ご注文ください。 詳しくはこちらのページをご参照ください。

  • DEAR事務所(東京都文京区)で直接ご購入いただくことも可能です。来所の際は事前にご連絡ください。
  • 教材総合カタログ(ヒルマ/スクラボ/PLUS)で一部の教材をご注文いただけます。詳しくはこちらのページをご参照ください。

アクティビティ集シリーズ

シリーズ1「世界とのつながり」

基本アクティビティ集1−世界とのつながり

『開発教育基本アクティビティ集1-世界とのつながり』には、小学生以上を対象にした、シンプルな4つのアクティビティを収録しています。「グローバリゼーション」はどこか遠い世界で起こっていることではなく、わたしたちの日常生活の中に入り込み、自分も、教室の中も世界とつながっているのだ、という気づきを得ることができるでしょう。→ 詳しくはこちら
・発行:開発教育協会
・2017年12月1日、A4判32頁
・一般価格:¥1,200+税 会員価格:¥1,000+税
・対象:小学校中学年以上

シリーズ2「難民」

『開発教育基本アクティビティ集2-難民』には、中学生以上を対象にした、シンプルな4つのアクティビティを収録しています。日本にも約7,500人の難民の方々が暮らしていますが、日本においては難民問題に対する関心は高いとは言えません。本教材が、私たちの身近に存在する難民について知り、かれらと共に生きていくために何ができるのかを考えるきっかけになれば幸いです。→ 詳しくはこちら。 
・発行:開発教育協会
・2019年3月、A4判32頁
・一般価格:¥1,200+税 会員価格:¥1,000+税
・対象:中学生以上 

シリーズ3「気候変動」

『気候変動-開発教育アクティビティ集3』には、中学生以上を対象にした、シンプルな4つのアクティビティと専門家による8つのコラムを収録しています。気候変動という地球規模の課題について知り、アクションを起こすきっかけになることを願って作成しました。→詳しくはこちら。 
・発行:開発教育協会
・2020年3月、A4判44頁
・一般価格:¥1,500+税 会員価格:¥1,200+税
・対象:中学生以上 

教材の著作権について

  • 教材・書籍等の著作権は開発教育協会に帰属します。著作権法上の例外を除いて、教材・書籍等の全部または一部を無断で複製したり、転写・引用・入力などしないでください。
    ※著作物が自由に使える場合(文化庁)http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html
  • ワークシート等の複写による利用は、学術的な調査研究、「非営利」の教育・学習活動に限ります。例えば、学校の先生が、授業で使うためにコピーを作って児童や生徒に配布することは「著作権法上の例外」なので、問題ありません。
  • 教材・書籍等を利用して、非営利目的の講義や参加型学習プログラムを実施する際には、事前の広報資料や当日の配付資料、事後のレポート等に、使用する著作物の著作権者が当会または、制作団体であることを明示してください。印刷物やウェブページには、例えば、「当研修/講座で使用する教材/テキストは、開発教育協会(DEAR)発行の教材です。詳細はhttp://www.dear.or.jp/を参照してください。」等の表記をしてください。