DEAR 開発教育協会

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レポート掲載!第2期DEARカレッジ SDGs学習のつくりかた

6~7月で開催中
レポートを順次ブログ「DEARな日々」に掲載しています。

開発教育によるSDGsの学び場「DEARカレッジ」

私たち一人一人がテーマを学び、深め、視野を広げるため、講座の参加者とともに、一緒に学んでいきましょう

DEARでは、2021年3月に『SDGs学習のつくりかた 開発教育実践ハンドブックⅡ』を発行しました。本書は、SDGsが含まれる「2030アジェンダ」全体の理念をとらえつつ、それらに基づいた学習(SDGs学習)を培うことを目的にしています。

SDGs学習を推進していくためには、テーマについて構造的に理解し、広い視野をもつ必要があります。そこでDEARではハンドブック発行に加え、フォローアップとして、開発教育の観点によるSDGsの学び場を昨年から設けています。それが「DEARカレッジ」です。

目的

「DEARカレッジ」では、テーマごとに講師をお招きし、講義と参加者どうしの議論を通して、テーマについて深く考えていきます。そのため、「DEARカレッジ」は、SDGs実践のためのHow toを学ぶのではなく、以下のことを目的にしています。

  • 開発教育の観点からSDGsを理解する。
  • 「持続可能な開発」に関する各テーマを広い視野で構造的にとらえる。
  • 上記を踏まえて、SDGs学習をつくるうえでの観点を整理する。

日時(全7回)

基本的に平日夜(木曜/金曜)の開催です

2022年
6月3日(金)、6月10日(金)、6月24日(金)、7月1日(金)、7月7日(木)、7月15日(金)、7月22日(金)
各日 19時30分〜21時30分(2時間)

  • 各回45分程度の講義と質疑応答、ディスカッションを含みます。
  • 各回19時30分〜21時30分

プログラム

第1回:6月3日(金) 「総論(公正・共生・循環)」
講師:田中治彦 (DEAR理事/上智大学)

「公正・共生・循環」は、SDGs学習を、ゴールの理解や紐づけに終わらせないために、2030アジェンダの理念として「誰一人取り残されない」と同様に重要な理念です。第1回は、これらの理念について考え、これからの理解を深めていく一歩にしていきたいと思います。 

講師プロフィール
1953年東京生まれ。上智大学名誉教授、 (認定NPO)開発教育協会理事、龍ケ崎市将来計画専門委員。専門は、開発教育・ESDとユースワーク・居場所論。現在は18歳成人と教育に関心をもっている。著書は、『18歳成人社会ハンドブック』 (明石書店、2018年)、『SDGsと開発教育』 (学文社、2016年)、『SDGsとまちづくり』 (同、2019年)、『SDGsカリキュラムの創造』 (同、2019年)、『成人式とは何か』 (岩波ブックレット、2020年)。

第2回:6月10日(金) 「平和」
講師:川崎哲(ピースボート共同代表/ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)国際運営委員

ウクライナ情勢により、国際平和の課題がまたも緊迫しています。しかし、私たちは常時、世界中に最終処分方法さえ 未確定な核を大量に保有しています。そして、核保有は国際的な軍事パワーバランスに大きく加担します。核廃絶に 向けた現状と平和に向けた論理をお話しします。

講師プロフィール
ピースボート共同代表。2017年にノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の国際運営委員(2012~14年同共同代表、14年から現職)。核兵器廃絶日本NGO連絡会の共同代表として、NGO間の連携および政府との対話促進に尽力してきた。ピースボートでは、地球大学プログラムや「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」をコーディネート。2009~2010年、日豪両政府主導の「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会(ICNND)」でNGOアドバイザーをつとめた。恵泉女学園大学、聖心女子大学などで非常勤講師。日本平和学会理事。著書に『新版 核兵器を禁止する』(岩波ブックレット、2018)、『核兵器はなくせる』(岩波ジュニア新書、2018)など。1968年東京生まれ、東京大学法学部卒業。

第3回:6月24日(金) 「気候変動とエネルギー」
講師:平田仁子(Climate Integrate 代表理事

「気候危機の現状は深刻さを増しているにもかかわらず、日本のエネルギー政策の大きな転換はなかなか進みません。気候変動やエネルギー政策の問題を科学的に示し、脱炭素社会の実現のために国内外で様々な活動を進めてきた平田さんとともに、気候危機の捉え方、政策転換と行動の必要性、そのための取組について考えます。

講師プロフィール
アメリカの環境団体の経験を経て、1998年から2021年までNPO法人気候ネットワークで国際交渉や国内外の気候変動・エネルギー政策に関する研究・分析・提言及び情報発信などを行う。気候変動枠組条約締約国会議(COP)には、1997年のCOP3から参加。2011年の福島第一原子力発電所事故の後には石炭火力発電所の建設計画に対して取り組み、多くの計画を中止に導いたことや、金融機関に対する株主提案などが評価され、2021年ゴールドマン環境賞を受賞(日本人3人目、女性初)。2022年にClimate Integrateを設立。国内外のパートナーと連携し、各ステークホルダーの脱炭素への動きを支援する。講演や執筆活動も行う。熊本県生まれ。千葉商科大学サイエンスアカデミー特別客員准教授。聖心女子大学卒業、早稲田大学社会科学研究科博士課程修了(社会科学博士)。主な著書『気候変動と政治 -気候政策統合の到達点と課題』成文社(2021)。『原発も温暖化もない未来を創る』編著、コモンズ(2012)。

第4回:7月1日(金) 「ジェンダー・セクシュアリティ」
講師:村瀬幸浩(日本思春期学会名誉会員/一橋大学元講師

ジェンダーを語るにあたってはセクシュアリティ・性と向き合うことが欠かせません。自分自身の生活経験をもとに、日本の性教育の現状や、男子生徒への「性教育」とジェンダーについて、長年にわたり高校や大学で授業してきた経験からお話します。ジェンダー・性教育に関して、「やわらかな共生」と「性教育」の革新のために、議論しましょう。

講師プロフィール
東京教育大学(現筑波大)卒業後、私立和光高等学校保健体育科教諭として25年間勤務。この間総合学習として「人間と性」を担当。1989年同校退職後、25年間一橋大学、津田塾大学等でセクソロジーを講義。現在一般社団法人“人間と性”教育研究協議会会員、日本思春期学会名誉会員。著書:『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方 (MF comic essay』(KADOKAWA)、『男子の性教育: 柔らかな関係づくりのために』『男性解体新書―柔らかな共生と性教育の革新のために』(大修館書店)、『3万人の大学生が学んだ 恋愛で一番大切な“性”のはなし』(KADOKAWA)、ほか多数。

第5回:7月7日(木) 「格差」
講師:井手英策(慶應義塾大学)

「2030アジェンダの理念である「誰一人取り残されない」社会の姿を、日本の社会保障制度の再考を通して考えます。“どうやって「弱者を助けるか」ではなく、どうすれば「弱者を生まない」社会をつくれるのか”という視点に基づいたベーシックサービスの考え方から学び、社会のありようを一緒に議論します。

講師プロフィール
慶應義塾大学経済学部教授。 1972年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。日本銀行金融研究所、東北学院大学、横浜国立大学を経て、現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門は財政社会学。総務省、全国知事会、全国市長会、日本医師会、連合総研等の各種委員のほか、小田原市生活保護行政のあり方検討会座長、朝日新聞論壇委員、毎日新聞時論フォーラム委員なども歴任。2015年度大佛次郎論壇賞、2016年度慶應義塾賞を受賞。著書に『幸福の増税論 財政はだれのために』(岩波書店)、『富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く』(集英社)、『18歳からの格差論』(東洋経済新報社)、『ふつうに生きるって何?小学生の僕が考えたみんなの幸せ』(毎日新聞出版)ほか多数。

第6回:7月15日(金)  「多文化共生」 
講師:孫美幸(文教大学)

排外主義を乗り越え、日本における「共生」や、多文化共生教育をどう実践していくのか、ライフヒストリーや、多様な壁が複雑に入り組む日常や経験から考えます。また、共に生きることを学ぶとはどのようなことか、SDGsの観点から多文化共生をテーマにした学習の可能性についても議論していきます。

講師プロフィール
文教大学国際学部国際理解学科 准教授。2000年京都市公立中学校で初めての外国籍教員として採用。2004年退職後大学院に進学し、2010年立命館大学大学院社会学研究科博士課程修了。2019年より現職。多文化共生教育を学校の先生方と一緒に創りながら、「境界」に生きる自分のアイデンティティや暮らしを家族や友人たちと楽しむ日々。近著に『深化する多文化共生教育 ホリスティックな学びを創る』(明石書店2020年)がある。

第7回:7月22日(金) 「SDGs学習のつくり方」 
講師:近藤牧子(DEAR副代表理事/早稲田大学非常勤講師)

カレッジ最終回では、SDGs学習づくりを考えます。開発問題学習とは、そのプロセス自体が「私たちの社会で公正・共生とはどのような状態か」の合意形成や共通理解づくりのプロセスとなります。ここでは、その中で特に特に重要となる「議論の分かれる課題の意見交換」の観点を考えていきたいと思います。また、改めてSDGsが書かれている「2030アジェンダ」に目を向け、皆さん自身の問題関心を整理していきます。

講師プロフィール
早稲田大学、聖心女子大学、実践女子大学、明治大学、立正大学にて、社会教育学、ボランティア研究、教育とジェンダー関連科目を担当。早稲田大学大学院文学研究科教育学専攻博士課程修了(博士(文学))。「SDGsと開発教育研究会」メンバーとして本カレッジのテキストでもある『SDGs学習のつくりかた』の執筆編集者。『SDGsカリキュラムの創造』(2019,学文社)『グローバル時代の「開発」を考える』(2017,明石書店)共著

会場

オンライン会議システム(ZOOMミーティング)
※PCでの参加を推奨します。

対象・定員・参加費

対象者 

教育実践者や一般、SDGs学習に関心のある方、教職課程の学生の方。
昨年度参加者も歓迎します。

定員

50名程度
※定員に達し次第、締め切らせていただきます。

参加費

  • 一般 25,000円(全7回分)
  • 会員 20,000円(全7回分)
  • 学生 15,000円(全7回分)※学生会員の方もこちら

※本講座は連続講座となっており、全7回分の参加費を事前にお支払いいただきます。各回の申込や支払いは受け付けておりません。
※録画に関して:ご欠席の連絡をされた方に期間限定でご案内いたします。
※会員でない方も新規にご入会することで、会員価格で参加できます。入会についてはこちらをご参照ください。

テキスト

『SDGs学習のつくりかた 開発教育実践ハンドブックⅡ』(一般2,750円、会員2,200円ともに税込)を購入の上、ご参加ください。

ハンドブックの購入を希望される方は、別途教材・書籍注文ページよりお申し込みください。

お申込み

※5月29日(日)で申込受付を終了しました。たくさんのお問合せ・お申し込みをありがとうございます。

お支払い方法

郵便振替、銀行振込のいずれかからお選びいただけます。
お申込みくださった方に、口座情報をご案内します。

キャンセル規程

原則として、入金後の払い戻しは受け付けておりません。ただし、5月29日までにキャンセルのお申し出をされた場合、手数料を差し引いた金額を返金いたします。

昨年度参加者の声

カレッジでの学びが、多様な実践に役立つきっかけとなっています

  • SDGsの大切な切り口について、立場の異なる様々な方々と議論をしながら、考えを深めることができました。また、以前からなんとなく嫌だったきれいごと化しがちなSDGsについて、そうではない学びの可能性について知ることができたことが最も大きな収穫でした。
  • 毎回、はっとさせられる気づきがあり、これからこんなことを考えてみたい、こんな切り口でワークショップや教材作りができないかな?とワクワクした気持ちになるとても面白い講座でした。
  • 自分の中にも興味があったり調べたことがあったり仕事に関りがあったりするものと、今までほとんど考えたことがないものと偏りがあったのですが、今回のカレッジはシリーズになっていたので、様々な話を聞くことができて、様々な深さで学べたように思います。
  • DEARの発問がちょうどモヤモヤに気づかせてくれて、議論が盛り上がるとても良い感じのものだったので、毎回の話し合いが楽しみになっていました。カレッジの進め方自体に授業の新たなアイディアを頂いた気がします。

昨年のレポート

各回の概要や展開をブログに掲載しています。ぜひお読みください。

主催

認定NPO法人開発教育協会(DEAR)「SDGsと開発教育」研究会

お問い合わせ

認定NPO法人開発教育協会 事務局 伊藤
E-mail:yito@dear.or.jp
※在宅勤務をしておりますので、メールにてご連絡ください。