DEAR 開発教育協会

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日本政府の「SDGs実施指針改定案」にパブリック・コメントを出そう!(募集終了)

締切は11月15日(水)23時59分

2030年までに世界で取り組む共通の目標として掲げられた持続可能な開発目標(SDGs)に関して、政府内に設置されたSDGs推進本部から、日本国内における「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針改定案に対するパブリック・コメント(通称、パブコメ)の募集が行われています。

今回、パブリック・コメント等で集められた意見は、今後作成される指針に影響を与えます。できるだけ多くの市民の意見を届けることが大変重要です。また、パブリック・コメントを送ることは、政策決定過程への市民参加の1つの方法です。

みなさんも、ぜひ、パブリック・コメントに意見を出して、政策決定過程に参加するとともに、多くの市民が注目していることを示しましょう!

DEARより4つのコメント

SDGs実施指針改定に向けて、「人間の尊厳」の重要性を強調したうえで、国際社会のSDGs達成に向けた取り組みを強化、加速していく決意を示されていることに賛同します。
DEARは、多くの教育関係者と持続可能な開発のための教育(ESD)や開発教育を普及・推進してきたNPOの立場から、以下、4点コメントします。

1.「貧困」と「教育」を主要課題にしてください

「2030アジェンダ」はその「前文」冒頭で、「あらゆる形態と側面の貧困を撲滅することが最大の地球規模の課題であり、持続可能な開発のための不可欠な必要条件である」と明記しています。すなわち、SDGsの最優先課題は目標1の「貧困」であり、SDGs達成の鍵は目標4の「教育」です。地球規模課題として「貧困」と「教育」を追記し、取り組む旨を明記することを提案します。

2.啓発・広報ではなく、個人の変容や社会の変革を生み出す教育を推進してください

SDGsに対する認知度が上がる一方で、それがシンボリックな「正義の押し付け」と受け取られる風潮が一般市民に広がっています。SDGs達成に向けて、2030アジェンダは「私たちの世界を変革する」ことを要請しており、具体的には、個人の意識や態度や行動の変容と、政治・経済・社会の制度や構造の変革が強く求められています。

啓発や広報では、こうした個人の変容や社会の変革を生み出していくことは不可能です。啓発・広報だけではなく、SDGsのより深い理解と一人ひとりの変容を促す教育を、学校教育や社会教育の中で、NPOや地域等と連携・協働したSDGs学習及びESDとして推進していくことを明記願います。

3.「だれ一人取り残さない」包摂社会の実現を具体的に記載してください

「誰一人取り残さない」はSDGsの標語ではあるものの、抽象的で曖昧な表現であるため、「あらゆる立場の人々の権利保障を確かなものにする包摂社会の実現」のように、具体的に記載願います。
また、「包摂的な共生・共助社会づくり」は誰と誰との共生・共助なのか、共助社会づくりとは具体的に何を意味しているのかわかるように、以下のように具体的に提示をお願いします。
「障害のある人や海外にルーツをもつ人、性的マイノリティ、先住民族等、社会的少数者の権利を保障する包摂的な共生社会づくりとそのための行政・企業・NPO・地域・市民などとの協働による共助社会づくり」

4.不足しているデータを準備し、現状把握をしたうえでVNRを行ってください

SDGsの達成度について測るには、2030年の目標の設定が必要ですが、実施指針にはそれが明確に示されていません。2030年の目標設定と、現状把握を行ったうえで、そのギャップ分析を行い、達成のためのロードマップをつくることを提案します。データがない目標については、至急、データを準備することを提案します。また、すでにあるデータに関しても実態を反映できる適切なデータの使用を提案します。

DEARが提出したパブコメ

ご自身でパブコメを書く際の参考にしてください。
もしも「賛成!」と思う箇所があればその部分をご利用ください。

パブコメの書き方

  • 項目ごとに、具体的に、どの部分に対する意見かを明確に示しましょう。
  • コピーではなく、自分自身の言葉で書きましょう。
  • 非難するより、提案として書きましょう。
  • 改善すべきところだけでなく、よいところも指摘し、それを現状から後退させないようにしましょう。

便利!SDGsジャパンのパブコメ・ガイド

DEARも参加する SDGs市民社会ネットワーク (SDGsジャパン)が、新しい「SDGs実施指針」に対するパブリックコメントの提出の仕方を分かりやすく紹介しています。詳細はこちらからどうぞ。

パブコメの出し方

以下のいずれかの方法で送ることができます。
個人でも、団体でも、どなたでも送ることができます。

(1)電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォームを利用する。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=350000208&Mode=0
下方のボタン「意見入力へ」をクリックし、必要事項を記入。1回に送信できる意見は6,000字までです。個人情報の入力は任意です。

(2)外務省に直接電子メールを送る。
件名を「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針改定案パブリックコメント」と 明記の上、別紙(意見提出様式PDF)にならい、sdgs.secretariat@mofa.go.jp までメールを送付します。